光子の単一性が保証されない場合でも使える暗号
10章や13章などで述べた通り、原理通りの量子暗号を得るために、質の良い 単一光子を生成させる研究が進んでいます。そうはいっても、完璧な単一光子 というものは得られません。複数光子が発生する確率、あるいは光子が発生し ない確率を減少させることはできても、ゼロにはできないのです。当然ですが、 レーザで光子を発生させる場合、レーザを強くすれば発生する光子の数は多く なりやすくなり、弱くすれば少なく(ゼロを含む)なりやすくなります。いず れにせよ、盗聴者に漏洩する情報が発生してしまうのです。
科学技術振興機構と日本電気は2007年1月17日、光子の単一性が保証 されない場合でも、盗聴者に漏洩する情報量を確率的に推定できる理論を構築 したと発表しました。この理論により、盗聴者が得る情報量の上限値を設定し、 それ以下で収まるよう、レーザの出力を変えながら複数回送り、必要に応じて 情報量の一部を捨てるアルゴリズムを開発しました。これにより、20kmの 光ファイバー伝送後、漏洩した情報量の上限が1ビットあたり128分の1で あることが保証された最終鍵を、毎秒2000ビットで生成することができた ということです。 http://www.jst.go.jp/pr/announce/20070117/index.html
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