ハイゼンベルグの不確定性原理
量子力学の基本原理である、ハイゼンベルグの不確定性原理。これは通常、 「きわめて小さな粒子の位置と運動量を、同時に厳密に計ることはできない」 などと表現されます。実際には小さくなくてもよいのですが、どんな粒子に対 しても、その位置の測定精度と運動量の測定精度の積は、プランク定数という、 10のマイナス34乗程度(単位はジュール・秒)より小さくはできないのです。 従って例えば位置を10のマイナス50乗程度の誤差で知ろうと思うと、運動量は 10の16乗程度という大きな誤差の範囲でしか知ることはできないのです。
大雑把にこれを説明すると以下のようになります。不確定性が生じる根本の 原因は、粒子が波動性と粒子性を持つことです。その波動としての周波数と、 粒子としての位置が、ともに確定させられないのがスタートです。
純粋な定常的波動(図の左)であれば、周波数は完全に決まります。しかし この定常的波動というのは、場所がどこなのかといわれても困ってしまいます ね。ずっと広がっている、としか言いようがないのです。
一方純粋な粒子というのは、図の右のように、パルスになってしまったよう なものです。これは純粋な定常的波動とは逆に、位置は確定しますが、周波数 はあらゆる成分が含まれまったく確定しません。
波動性と粒子性を持つというのは、いわば図の真ん中のように、無限に長く もなく完全な一点でもなく、ある程度の長さの中に全部で数波長分程度の波が 収まったようなものです。
周波数より単位長さ当たりの波の数(波数)k(周波数÷波の進行速度)の 方が考えやすいので以下はそれを使って説明します。全体の長さ(位置の誤差 すなわちΔx)が無限に長くなるとkの誤差はゼロになりますが、Δxがゼロ になるとkの誤差は無限大になります。つまり実際にはk自身というよりkと Δxの積に意味があるわけで、これは実は有限の長さの中の波の数(波長単位) です。同じように、kの誤差Δkというのは、無限に大きくも小さくもなるの ですが、ΔkとΔxの積というのは、いわば有限の長さの中の波の数(波長単 位)の誤差であり、これは端っこの方の一つか二つ程度と考えられます。
つまりΔkとΔxの積が1のオーダーの大きさ(2も含まれる)ということ です。これを「ΔkΔx~1」と書くことにします。通常は「~」ではなく、 「~」を縦に2つ重ねた記号を使いますが、ご了解ください。
ド・ブロイの関係式から、物質波の運動量pはプランク定数を波長で割った ものです。kは波長の逆数ですから、結局ΔpΔx~プランク定数ということ になります。プランク定数の比較的正確な値は、6.626*10**(-34)ジュール・秒 です(**は累乗)。
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