非接触ICカードで利用される電磁波
ソニーが開発した非接触ICカードのFelicaは、あるいはそれ を応用したJR東日本のSuicaもですが、周波数13.56Mヘルツの搬 送波を利用しています。これが非接触通信の最もポピュラーな周波数と いっていいでしょう。
実は非接触通信は、技術的に可能ならどんな周波数の電磁波を使って もよい、というわけにはいきません。電波を使うわけですから当然です が、電波法で規定されています。これは国毎に多少異なるものですが、 できるだけ全世界で統一した方が望ましいので、ISO/IEC-18000 という国際規格が定められています。そこでは13.56Mの他、135K未満、 433M、860~930M、2.45G(いずれもヘルツ)という周波数の電磁波が 標準的なものとして認められています。ただし、日本では使えるのは、 そのうち135K未満、13.56M、2.45G、それに電波法改正で2005年から 認められた952~954Mです。
952~954Mは、5~10メートル程度という比較的長距離の通信が可能 であり、2006年2月に発表された実証実験結果でも99パーセント以上の 読み取り率が確認されています。ただし反射波の影響が強いこと、全体 の帯域が狭いので周波数分割が難しいこと、などの課題も残されていま す。情報通信研究機構は2006年2月、同帯域のRFIDリーダを、パナ ソニックモバイルコミュニケーションズの協力で開発した、と発表しま した。1Wという高出力タイプと、10ミリWという免許不要ハンディ型 低出力タイプとがあります。ソフトウェアでコントロールすることで、 さまざまな信号処理を実現すること、952~954Mヘルツの範囲で周波数 を変えること、などが可能です。生地メーカーの植山織物は、凸版印刷 と共同で、2006年4月より、この帯域のRFIDを使った反物管理を実 用化しています。
135K未満というのは、電磁誘導型のICタグとして実績のあるもので す。2.45Gはマイクロ波型のICタグに使われることを想定しています。 無線LANやBluetoothなどとの干渉に課題が残ります。その上に5.8G という規格がありましたが、これは最終的に標準としては認められませ んでした。但しETC(ノンストップ自動料金支払い)はこれを使って います。さらに24.125Gという規格もあります。
なお、図では周波数の高い方を紫色、低い方を赤色で示していますが、 実際の可視光領域は、もっとはるかに高周波です。
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