どんな身体的特徴が生体認証に向くか
身体的特徴ならば何でも生体認証に使えるというわけではありません。当然 ながら、まずはそれが個人によってかなりはっきりと異なっているということ が重要です。例えば特殊な画像処理装置を使って、眉毛の本数を数えることが できたとします。その本数はある程度時間がたっても変わらないとしましょう。 その場合でも眉毛の本数のみで生体認証を行うのはまず不可能です。なぜか。 人間の髪の毛は多い人で10万本前後といわれますが、ならば眉毛はせいぜい 千本くらいでしょう。つまり日本人の中だけでも、同じ眉毛の本数の人が何万 人もいたとしても不思議ではないのです。これでは一致したから本人とみなす、 などということは乱暴すぎてとてもできませんね。ちなみに指紋が犯罪捜査に 有効なのは、DNA鑑定ほどではないにせよ、偶然に一致する確率がきわめて 低いからです。
もう一つ、決して落とせない条件があります。それは個人の中でその特徴が 容易には変化しないということです。これはさらに、長期的な変化と短期的な 変化の両方を考えなければなりません。例えば声ですが、長期的には声変わり したりしゃがれ声になったりという変化があります。一方で、風邪をひいたと か前の日にカラオケで張り切りすぎた、といった変化がありえます。顔による 認識も、たまたま笑顔か怒り顔か、あるいは眼鏡をしているかはずしたか、と いうことで結果が左右されるようではいけません。これは短期的要因であり、 特徴量の選定で考慮すべき問題ですが、一方でシワが増えたり張りがなくなっ たりと、長期的にも当然変化します。何十年もたつと人間がみてもわからない 場合もあるくらいですから、顔の場合は何年かに一度、再登録をせざるをえな いでしょう。指紋や虹彩などは、幼児期は別として、一度登録してしまえばま ず一生ほとんど変わりません。その意味で非常に使いやすい特徴量なのです。
sponsored link
このページ
のTOPへ


