暗号規則の事前共有が不可能に
前項の最後に述べた「暗号規則の非秘匿性」について、ここでは詳述 します。そもそも、情報を伝達するのになぜ暗号化する必要があるのか といえば、それを傍聴される危険があるからです。戦争で、二つの軍の 司令官が暗号で情報をやりとりするなら、彼らは本国などであらかじめ 直接対面できますから、そこでどんな規則で暗号化するのかを示し合わ せることができます。もちろんその規則を紙に書いた場合、それが敵の 手に落ちることは絶対に阻止しなければなりません。
一方インターネットの場合、最初からオンラインでの関係が当り前の 世界です。オンラインは傍聴の危険があるから暗号にするわけで、その 規則をオンラインで送ったのではまったく意味がありません。
もちろん暗号規則をオフライン(郵送など)で送るというのは、それ に対する一つの対処方法です。しかしそういうある意味で手間のかかる 方法ではなく、インターネットのみで情報をやりとりするなら、特定の 相手のみに何らかの情報を伝えることを放棄した上で、暗号化の方法を 考えなければなりません。それこそが、公開鍵暗号方式なのです。
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